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MESSAGE

発起人 松永恒一

 

鈴木静一の音楽をその作品にふさわしい規模と編成のマンドリンオーケストラで心ゆくまで表現したい―その思いから誕生した「鈴木静一チクルスマンドリンオーケストラ」は、2016年2月アクロス福岡シンフォニーホールで初の演奏会を開催し盛会裏に終えることができました。
その時のプログラムは「細川ガラシャ」「スペイン第二組曲」「柳河抄」、そして「失なわれた都」。
120人の奏者による熱演は、ほぼ満席となった会場と一体となり、抒情と色彩感あふれる鈴木静一の音楽世界をホールいっぱいに再現するものとなりました。その余韻はいまだ冷めやらぬものがあります。このオーケストラは「チクルス」の名のとおり、一人の作曲家の作品のみでプログラムを構成し演奏会を開くことを目的として編成された画期的な合奏団です。その成り立ちは、様々な人と人との出会いを生み、マンドリン界に新たな音楽との向き合い方を提示することにもつながっているようです。
一期一会の思いで取り組んだ前回の「チクルス」でしたが、それからほぼ1年が過ぎようとするころ、期せずして『再起動』の機運が盛り上がってきました。もう一回やろうじゃないかという熱い思いのもとに実行委員会が再結成され、さらにパワーアップした「鈴木静一チクルスマンドリンオーケストラ2019」の開催に向けて動き出すこととなりました。多くの演奏者の皆様のご参加をお待ちしております。
企画の概略は下記のとおりです。前回の「チクルス」に出演された方はもちろんそうでない方も、演奏団体に所属している人もそうでない人も、どうぞご自由にご参加ください。全国からたくさんの仲間が集まることを期待しつつ、この企画がひいてはマンドリン音楽全体の活性化につながり、その発展に寄与するものとなることを切に願っています。  2017年4月

1部指揮 小穴雄一

 

夢よふたたび!
チクルスが去年だったとは思えません。遥か彼方のことのようです。1年というのは長く感じることもあれば、あっという間のようでもあります。ほんとうにたくさんの出会いがありました。ただもうこのことに感謝でいっぱいです。
福岡は遠かった。しかし、回を重ねるごとに高まるものを、それは参加者みなさんがとことん鈴木静一が大好きだというに思いそのものでした、それを全身に浴びては帰途に着くのでした。練習場のそばに見つけた銭湯で汗を流して福岡の美味い料理に舌鼓をうちながら、わいわい交わす盃もまたかけがえのないひとときでした。まさか次があるなんて思ってもいませんでした。
次があるなら新進気鋭の指揮者を立てる方がいいとお伝えしましたら加賀城さんが登壇されることになったと伺いました。
素晴らしいことですね!松永さんは発起人ですのでお二人でされたらいいと思っていましたが、どういうわけか再びお声がけいただいたので、みなさんとまたご一緒させていただくことになりました。前回同様、前座を務めさせていただきます。
あぁ、またみなさんとご一緒に鈴木静一さんの音楽に取り組めるなんて、なんて幸せなんでしょう!亀に跨り竜宮城に向かう浦島太郎の心境そのものずばりでしょう!夢を叶えるために、今月からチクルス貯金を開始いたします!
さて、今回担当させていただく曲ですが、まずは、大好きな「雪の造形」。初めてこの曲を聴いたのは高校3年の春。中央大学の演奏でした。澄み渡るようにピリッとした空気感に全身に鳥肌がたちました。鈴木静一さんの音楽の魅力のひとつは、その切ない旋律にあると思います。二楽章は雪山賛歌のように聴こえるのは私だけでしょうか。
しかし、なんといってもこの曲の白眉は終楽章。その水墨画を見るように端正な趣きにあります。
心に染み入るような音楽をいたしましょう。
後半は異色作品「パゴダの舞姫」。いやぁ、これはエキゾチックですね。
旅好きだった鈴木静一さんが目の当たりにした舞とはいったいどのようなものだったのでしょう?タイ映画のために作られたという映画音楽の原曲かはいったいどのような曲だったのでしょうか?ミトコンドリア?の権化をも彷彿とさせる奇怪とも言えるような、それでいて魅力がいっぱい詰まっています。
計り知れない仕掛け満載の曲、みなさんとご一緒にスコアを読みとりながら、鈴木静一さんが歩かれた紀行ルートを辿ってみたいと思います。
次回も楽しくまいりましょう!どうぞ、よろしくお願いします。

2部指揮 加賀城弘光

鈴木静一作品は学生時代の思い出がつまっており、懐かしい気持ちで前回は客席で聴かせて頂きました。その演奏は私が聴いた中で一番作者の表現したいものが見え、もうこれ以上の鈴木静一作品の演奏はないと感じました。
そして今回の「鈴木静一チクルス2019」の開催を聞いた時、参加された方々(奏者)の想いも強かったことを感じました。
今回コンサートマスターの山口さんからお誘いを受けた時は「冗談でしょう?」と思いましたが、宮崎の神話や福岡の歴史を作曲にしてきた私にとってこれ以上の先生はいらっしゃいません。
音によって風景やそこに住む人の感情、そして作者の想いや奏者の想いまで表現できるエンターテイメント音楽は憧れです。
先生がどのような気持ちで音符を並べていったのかを考えながら、皆さんと一緒にドラマをステージ上に作り上げていきたいと思っています。宜しくお願い致します。
 

コンサートマスター・実行委員長 山口章太

 

鈴木静一チクルスマンドリンオーケストラ2016の終演直後、エントランスホールで、足をお運びいただいた皆様へ、お礼を申し上げていると年配の数名のご婦人方が、私の方に駆け寄ってきて、「鈴木静一さんの作品を初めて聴きましたが、何だかとても懐かしく、温かく、アンコール(  交響詩「北夷」 )では、涙ぐんでしまいました。また聴きたいです・・・今日は本当にありがとう」 と暖かいお言葉を頂戴いたしました。その瞬間、全ての疲れが吹っ飛びました。
あぁ・・本当にやって良かったと心の底から思いました。

 

コンサートが終わって一年が経ちましたが、昨日の様にも、遥か昔の様にも感じます。
変っていないのは、鈴木静一作品を愛おしむ心です。
「2019」に向けての準備は着々と進めています。
鈴木静一作品を愛する皆さん、アクロス福岡シンフォニーホールの舞台に一緒に上がりましょう。団体の垣根を超えた、多くの演奏者の皆様のご参加をお待ちしております。
 

「鈴木静一チクルスマンドリンオーケストラ」再起動 ~「2019」へのお誘い

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